2016年7月21日木曜日

配慮

同居人の授業は、教育学系の講座、つまり教職をとる人は必修、である。こちらの授業は14回でワンクール、2単位の講義、試験付きである。規定で言えば、10回の出席で、試験を受ける権利を取得する、というやつだ。100人前後の受講生がいて、いまのところ、ほとんど来ていなくて、投げ出しているのが7−8名、やはり資格取得には学生さんは熱心である。「デモしか先生」という言い方があるが、数少ない就職先として、「先生」はセーフティネットでもあるのだろう。

ところが先週になって教務課から紙が2枚ほど回ってきた。「先生にご配慮のお願い」という紙である。
1枚は「体調不良で出席が出来ないことが多いと本人から申し出があり、出席日数の配慮をお願いしたい」、もう1枚は「体調不良で出席が出来ないことが多いと保護者から申し出があり、以下同文」。診断書の添付も裏付けもなく、本人あるいは保護者の一方的な言い分で「配慮」しなくてはいけないようである。
こうなると、どんなに遅刻が多く、欠席していても、あるいはもしかしたらどんな理由であっても、教務課に本人が「体調不良でした」と届ければオッケー、欠席は免除、ということになる。なんだこれは、状態である。教務課は本人の言うことをそのまま書類にして回しているだけのようだが。
そもそも、授業に来なくてもいいのであれば、学校に行く意味があるのだろうか。

もっとも、出席していなければ、試験の解答などできないので、どっちにせよ落ちることにはなる可能性の方が大きいのが、同居人の授業である。「出席」すれば単位が取れるわけではない。

人生、そんなに甘くはないことを教わるのも授業である。 

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