2016年7月14日木曜日

紙袋

自己紹介と限らず、数年前まで良く出てきたのが、いわゆるPOV、主観ショットである。
紙袋の底にビデオカメラを仕込み、レンズの前面だけ穴を開ける。紙袋をぶる下げて構内を歩く。
出来た作品は、「学内に住んでいる猫の視点」で描かれた「猫の1日」である。

いやいや、単にローポジションの手ぶれ画面にしか見えない。なぜか、と言えば、そのブレブレの画面は「猫の視点である」という前提が伝えられていないからである。その上で言えば、猫がこんなふうに、きょろきょろと左右を見回しながら歩くのか、いやいや猫ってどちらかと言えば「近眼」だし、色覚もずいぶんと違うのではなかったのか、と考え始めると、「単にカメラがとらえている画像を提示しているだけ」に見えてくる。

「吾輩は猫である」という小説がある。文章では一人称の文体というのが成立するが、映像では成立しにくいのである。

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