もう少し学生数の多い大学だと、もうずいぶん以前から「配慮願い」というのが出ていた。健康上、あるいは心身のさまざまな障がい、ご家庭の事情など、配慮の理由はいろいろである。今日では、通常つまり従前通りの授業というスタイルには向かない学生さんも入学してきている、ということである。
大学としては、そういう学生さんも幅広く受け入れますよ、というアピールも出来るだろうが、対処するのは現場である教室。で、しかもこちとら一介のパートタイマー、非常勤、もちろん「配慮手当」などはない。授業は講義と違って実習なので、肉体労働であったり、グループワークでコミュニケーション活動を伴ったりもする。どんな「配慮が必要な」学生さんでも幅広く、というわけにはいかないこともある。
そういった事情も含めて、通信教育という作戦も考えられるだろう。もっと単位の流動性も配慮できるといいなあと思う。入学した大学で卒業するのではなく、さまざまな学校で単位を取り、それらを集めて卒業できる制度、というものがあれば、学生さんとしてはもっと多様な、あるいは自分に適したスタイルの授業を選択して学習できるのではないかとも思う。午前中に病気で出席できないことが多い学生さんなら、ある程度の単位は通信課程でまかなえるかもしれない。
まあ実際には、制度上そう簡単にはいかないので、こういった「配慮」が必要なのでもあるだろうが。