同居人は、公立、私立、国立と、さまざまな小学校を渡り歩いた。それぞれメリットもデメリットもあり、子どももご家庭もいろいろである。
東京では、初等教育事情というのは特殊である。バブル時期に「流行った」ということもあって、幼稚園小学校から「お受験」というのが、よーく話題になる。
地元の公立小学校に行かずに、私立や国立の小学校に行く、という選択肢である。
まあ傍目にはいろいろに映るだろうが、子どもにとって決定的な違いは、「放課後どこで誰と遊ぶか」という選択肢がかなり狭くなることである。私立や国立は、歩いて通える距離でないことも多い。電車やバスで通うわけだ。同じ教室の友だちは、違う町や区から通ってくる。住所録を見れば、同じ町内に住んでいるクラスメートはいないことのほうが多い。だから、放課後「あーそびましょー」と言って、友だちの家の前で声をかける、という状況は皆無になる。隣の家に同年齢の子どもがいたとしても、通う小学校が違えば生活のスケジュールも違う。頻繁には遊べない。地元の小学校なら、地域ぐるみの祭りやイベントなどに参加したりされたり、といったこともあるが、私立国立の子どもにはそういったチャンスは少ない。だから、地域密接型とは言えない。「地域で子育て」とは、少し違うのである。
良くも悪くもこんな具合なので、同居人が勤務していた小学校では、卒業後の同窓会に「成人の日」がよく使われる。地元の成人式に行っても、知り合いはほとんどいない。だから小学校同窓会を兼ねて集まるのだそうである。なるほど。
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