美術学校で教室、というのは基本的に「汚れるアトリエ」である。一昔前は、ほんとうに窓と扉だけある「ハコ」というのが、アトリエの基本設計だった。
美術系のアトリエの暖房は業務用の石油ストーブである。
当然のことだが灯油は補給しなくてはならない。クラスで当番制、施設のおじさんのところへポリ缶を持って灯油をもらいに行く。
たいていの場合、教室では天板には金だらいが乗っかっていて、水がはってあったりする。研究室ではやかんが乗っかっていたりするのだが、夕方になるとおでん鍋に置き換わる。
日本画では、学生がそれぞれ電気コンロを持っている。もちろん膠を溶かすためである。夕方になると、やはり小鍋や餅焼き網に置き換わる。
夕方になると、どこからともなくおいしそうなにおいが漂ってきた。
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