学生に入構禁止措置緩和から2週間、学内はぼちぼち事務手続きに来る学生がくるようになった。現在学事予定上では夏期休暇中なのだが、当方、そんな中で実技授業である。例年と違って、学内にいる学生が少ないこともあって、静かな作業中だ。
学生用に、図書館やギャラリースペースなどは限定的開放中、画材店は営業時間短縮営業中、学食はテイクアウトだけ、という状態である。入構禁止中に、学内はかなり整理されていて、今まであちこちに置いてあったベンチ類がかなり撤去されていた。学食やラウンジなどにあるテーブルもかなり減らされていて、なおかつ、あますところなくアクリルの衝立が出現している。建築学科出身の同僚とその風景を眺めて、アクリル衝立の数をざっくり見ながら経費を計算しようとしてしまったのは、習い性と言うべきかもしれない。
オンライン授業の受講用にいくつか講義室は開放されており、学生が自前のノートパソコンとヘッドフォンを持ち込んでいた。ただし、見ているのはそれぞれ違う授業なので、後ろから眺めると不思議な状況である。語学の授業を見ている学生の隣は、美術史の「授業中」である。
オンライン授業開始にあたり、学内のWiFi設備がかなり増強されたらしく、今まであまり無線が届かなかった教室も、それなりに強い電波が届いている。教室内20台ほど無線につなぐと、今までは「どよーん」としたスピードだったのだが、今や実用に耐えるくらいである。ただし、授業あるいはシステムそのもののフォローはあまりないようで、ハードウェア先行という日本人の特徴をそこはかとなく感じてしまう。
授業終了のチャイムが鳴ると、お掃除のオジサン数名がアルコールスプレーとウェスをもって扉の脇で待機している。学生を早々に追い出すと、あちこち拭きまくってくれる。消毒作業もかなり大変で気を使うだろう、お疲れさまである。
学生は全く「通常通り」授業に参加している気分なのだろう、今日もアタマをひっつけるように、おしゃべりに興じている。