非常事態宣言中、あるいは解除後に、商店の閉店や会社の破産、などという話題も多かった。昨日の夕刊では神保町の餃子屋の話題が載っていた。残念である。
世代的に、私たちが「お世話になった」店のオーナーや料理人は、今時はそこそこの年齢なので、代替わりするか辞めるか、という二者択一がいつかは訪れる。ある意味、「区切り」でもあったのか、閉店や廃業、という選択ではあったのだろう。
世代的に「懐かしい味」は、少なくなっていく。
一方で、これを機会に「代替わり」した店もあった。半年に1度くらい行く天ぷら屋があった。小柄な「お父さん」がワイシャツにネクタイしめて天ぷらを揚げる。お母さんと二人で切り盛りしていて、席数が少ない店だ。昼は天丼だけ、夜はおまかせコースだけ、日本酒ではなくワインを置いてあり、子どもがあまり来ないので、大人だけで落ち着いてお食事して帰ることのできる店だった。先日同居人が久方ぶりに寄ってみたら、料理人が代替わりしていたらしい。このご時世なので、予定を早めてリタイアしたという。若くて新しい料理人のもと、メニューが増え、昼からよそ行きの服装で子どもを連れた家族がテーブルにいて、大きな声でお好みを頼んでいた。料理人は、同居人の風体を見たなり「ランチメニューはやっていないよ」とつっけんどんに言ったらしい。よれよれのTシャツ、短パン、ギョサンの普段着オジサンなので、さもありなんだったのが、身なりで客あしらいをするとは何事かと、怒って帰ってきた。
こうやって、なじみの店も少なくなっていく。
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