2016年2月18日木曜日

用意

「真っ暗な闇の中、浜辺で女が歩いている。海を見つめてさみしげな表情で空を見上げると満天の星」。

次に考えなくてはならないことは機材である。三脚が必要か、移動撮影するならドリーかトラックレールが必要か。いやいや砂浜の上でそれはないから、ステディカム+オペレーターという作戦か。
もちろん真夜中に撮影するわけにはいかない。学生さんは夜のシーンを、実際に夜間に撮影していると思っていることが多いようだ。映像は嘘をつくのである。夜中にカメラを回しても、なかなか上手くは撮影できない。もちろん満天の星など一般コンシューマ向けのビデオカメラでは機械的にかなり無理。
いまどきの学生さんは劇映画もテレビドラマも相当お金をかけているものを見ているので、当然撮れるでしょ、と思っているフシがある。いやいや、そんなことはないのである。

実写の映像制作を高校以下でやっていることは少ないが、やっていたとしても「画をつくりこむ」ことにはあまり注力されていない。コンセプトを立てること、技術的には、ビデオカメラと編集ソフトの扱い方、くらいではないかと思う。

夜中にビデオカメラを回して、自分の希望しているイメージになるのかどうか、という想像ができない。それはカメラとソフトが映像をつくっていると考えているからなのだろう。 

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