2016年2月16日火曜日

意図

通信教育で担当している科目課題のうちひとつは、実写による映像制作のプランニングを立てるものだ。映像制作は、カメラと編集アプリケーションがあれば何となるというものではなくて、むしろカメラを構える前のコンセプト作りや、準備、計画が大切なことが多い。通信教育で、実技授業が難しいこともあって、映像制作の基本的なプランの立て方を学ぶ、という方向で授業を組んでいる。コンセプトをはっきりさせて、企画の意図や目的を明確にし、どのような映像作品にするのかを計画するわけだ。
制作では、具体的な撮影場所や被写体が必要になる。アタマの中にあるイメージを、どうにかして画像として定着させなくてはならないからである。
たいていの学生さんは、ことばからイメージを紡ぎ出す傾向があるようだ。生まれた頃から映像に囲まれて育った世代だと思うのだが、自分のイメージを「映像」として考えることはあまりないのだろう。企画書ではこんな文章が出てくる。
「真っ暗な闇の中、浜辺で女が歩いている。海を見つめてさみしげな表情で空を見上げると満天の星」。

映像で見たことがあまりないので、こういう場面を映像にしたいと思うのだろうか。スタッフになった状態で、これ撮影して、と言われたら、大変なのである。 

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