2016年2月17日水曜日

材料

「真っ暗な闇の中、浜辺で女が歩いている。海を見つめてさみしげな表情で空を見上げると満天の星」。


まず考えなくてはならないことは「場所」である。浜辺ってどこよ。
撮影したい画面のサイズ、背景に何が欲しいのかによって、場所は選ばれる。九十九里浜なのか、鳥取砂丘なのか、伊豆の白浜海岸なのか、それとも東尋坊か。

次にキャスティングである。年齢、姿形、髪型、衣装一式である。アラフォーが歩くのと、10代の女子が歩くのでは、見え方が全く違う。さみしげな表情に見える面立ちであることも必要だ。

撮影場所とキャスティングで予算がかかることは一目瞭然である。たいていの学生の場合、自宅近くの海岸などで撮影してしまい、狭い砂浜で国道がすぐ横を通っていて、ファミリーレストランが並び、頭上に飛行機ルートがあったりする。さみしい表情がまた別の意味に見えてしまうし、満天の星など明るくて見えない。つい友だちにキャストを頼んで、手持ちの衣装を持って来てもらったら、ユニクロのTシャツとショートパンツだったりする。しかもショートカットだったりするので遠目には「オンナ」なのか「女の子」なのか、もしかしたら「男の子なのかも?」に見えてしまうかも知れない。

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