教える側になると、当然のことだが、見ているクラスのことしか見なくなるので、回りは何をする人ぞ、という感覚に陥る。専門性を要求される授業であれば、それでも構わないと思うのだが、実技授業の基礎教育課程ではそうはいかんだろう、と思うようになった。
1年生の基礎的な実技実習が4科目、学年は4クラスに分けて3週間ごとのローテーションで授業を受ける。最初はこちらも「ばらばら」だったのだが、そのうちに授業準備中にちょいちょいと話すようになった。最初は学生の対応方法リレーだったのだが、そのうち授業内容も少しずつ話すようになった。そのうちに気になったのは、4科目ばらばらではいかんのではないか、ということだった。
授業全体を把握し、それぞれの専門性を理解しつつ、各授業の内容をコントロールする「マネージャー」役が必要なことがあるからだ。下手をすると隣の授業と同じことをしていたり、同じ意味なのに違う用語を使っていたりした。呑気に「それでもいいですよ」などと言う専任教員もいたりするのだが、学生の側から見れば単なる出前授業が散発的に行われていて、連続性も継続性も感じられない。だから、学習の成果が蓄積しない。学生の時間をロスさせているだけなのではないかと思ってしまう。
専攻科目は映像関係なので、教える方はもちろん大学でそんな専攻など無かった時代の人である。設立されて20年あまり、そろそろ結果が社会からフィードバックされてくる頃なのだろうが。
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