2016年1月5日火曜日

墓と言えば、である。
祖父母に連れ歩いてもらっていたこともあり、墓参りは苦にならないタイプである。たいていは、墓参りの後の余録、どこかに寄ったりすることの方が楽しかったりした、ということもある。
祖父母の家の墓は染井の都営墓地である。明治の頃に墓地を開設されてすぐに借りていたらしい。借りた当時の図面が残っていて、100坪超と自宅の地所より広い。昭和の初期に親戚に分けたりなどして、私が通うようになってからはほぼ半分以下になっていた。それでも30坪くらいはあり、大きな桜の木が2本あった。地名に由来するソメイヨシノである。遠くからも見えるほど大きなきだったが、ソメイヨシノは短命な樹木である。大きな枝が折れ、根で墓石が傾き始め、ある年台風でかなり痛んでしまった。桜の木を「始末」せざるを得ず、まあよい機会なので、と墓石を整理してひとつにまとめ、数坪の地所にした。

祖母の納骨はカトリックだったので神父さんに来てもらった。豪放磊落な神父さんで、祖母がいたく「ファン」だった。学生時代は授業に行かずに映画館に入り浸りだったことや、はす向かいに二葉亭四迷の墓があって四迷の話を、待ち時間にしてくれたことを思い出す。

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