2016年1月13日水曜日

一石

同居人が定職を退職したのが数年前、「月給取り」ではなくなったわけだから、黙っていても預金に定額が振り込まれなくなった。人間働かなくては現金は手に入らない。というわけで、まだ体力も目下の預金残高も余裕がある時期に、いろいろな仕事をしてみようと思った、らしい。ついては、翌年春にクルージングの予定を立て、そのご予算に見合うだけの小遣い稼ぎをしようと考えた、らしい。いくつかの求人情報を見ては、履歴書を作成して面接に出かけていった。

まず最初にやったことは、運動不足解消の「ポスティング」である。小遣い稼ぎと体力作りと一石二鳥と考えた、らしい。不動産会社のちらしなどを、郵便受けに直接、投函して歩くのである。居住地域でやるにはあまりにも目立つので、隣の駅のいくつかのご町内をご希望、何度か出かけていった。
ご家庭としてはあまり喜んで受け取るトコロは少ないので、「チラシお断り」などという郵便受けもある。マンションなどでは、配布しているのが目立つし、犬に吠えられるし、いつもお散歩日和とは限らないしで、お散歩以上の「やりがい」があまり感じられなかったらしい。ある日、出かけていった当日が東日本大震災で、ポスティング中に地震に遭遇、隣の駅というのに帰宅に何時間もかかり、それ以来やめてしまった。

まあそれなりに三日坊主ではある。 

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