2016年1月18日月曜日

合間

ほぼ個人教授、というのが売り文句の塾である。それは、言い得て妙なものらしい。
その塾で教えることは、あらかじめ子どもに渡されている問題集であり、それを答え合わせしながら質問に答える、というスタイルだったらしい。子どもの方は近所とは言え、いろいろな地域や学校から来ているし、使っている教科書も違うので、教える方の「簡便化」「マニュアル化」が図れる、というわけだ。先生の方には「解答集」があるので、それを見ながら答え合わせをすることになる。
ところが、子どもの方は案配良く問題集をやってくるとは限らないし、自分の学校で使っている教科書の進行とは違ったりする。目下の学校で抱いている疑問点は、問題集とは関係なかったりするので、質問しづらい。
先生の方は「担当制」ではないようで、先週とは違う子どもを担当していたりする。子どもの方は欠席、アルバイトの先生の方も都合により欠席だったりして、経営者はシフトに追われている。お昼頃に電話が来て、「今日は子どもが風邪で来ないので出勤しなくて良い」ことになったり、「今日は講師が一人休んだので、もう1コマやってほしい」という連絡だったりする。
そういう状況でも対応できるように「問題集」を使うのだろうが、いきなり初対面の子どもが、どういう性格で何を勉強しようとしているのか分からずに相手をするのは、大変である。

そのために、塾の方では「授業連絡」のような日誌を書くようになっている。ところがこれは休憩5分の間に「授業後の進行状況を報告する」ために、担当した2−3名の子どもそれぞれについてを書き、その上で次のコマで担当する子ども2−3名の「進行状況を確認」するために前任者の報告書を見て頭に入れる。その間にトイレと水分補給などをするというスケジュールである。3倍速で動かなくてはならない。 

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