2016年1月23日土曜日

卒業制作展

先週末は勤務校では卒業制作展だった。
論文で卒業できる学科もあるのだが、実技中心の学科が多いので、実技制作で卒業審査が行われる。学内が「総展覧会場」状態である。
アトリエや教室はもとより、体育館、廊下、階段、中庭、ピロティ、こんなところにというところにまで作品が鎮座ましましている。
外部のお客さんから見れば物珍しく、面白いものだろうが、当事者はいつも大変なのである。
そもそも卒業制作なので、担当教員の指導が必要だが、指導されるためには作品制作のプランが必要である。
もちろん、つくっただけではダメなので、展示をしてなんぼ。まずは「場所取り」である。所属学科研究室の管轄のスペースと、大学事務が管理するスペースは別なので、こちらもたいていは秋ぐらいに「場所取りのスケジュール」が公開される。希望展示場所、そこに展示される作品プランを提出し、競合すれば、管理者と当事者で話し合いながら場所を決めていく。
当然、展示作品だけをもちこんでもダメで、もちろん設置方法や設営も本人のプランに含まれる。作品だけを提出すれば卒業できるわけではなく、展示設営や運営も含めての「制作」になる。
当然、自分だけの作品をやっていてもダメで、同じ場所を共有する他学生との連携も必要になるし、所属学科内での共同展示作業も必要になる。普段使っている教室を展示会場にするので、机や椅子の移動、壁面の建て込み、展示作業、所属学科の展示プログラムやパンフレットの作成、終わればもちろん撤去作業、卒業式までのイベント各種管理運営である。

昔も今も、学生はわがままで自己チューなので、そこをなだめすかして、段取りを教えながら、自らの手は出しすぎずに、適度にお尻をたたくのが、研究室のスタッフの仕事である。 

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