アルバイトの大学生講師は、問題集の答えを教える。、問題の答えを教えることと、考え方を教えることは違う、と同居人は言う。
担当していた子どもの一人は、問題を解くのにとても時間がかかっていたそうだ。大学生の講師にとっては、「とろい」子どもで、「早くやりなさい」と叱咤してしまうケースである。子どもの方は非常に慎重に答えを探していく性格らしい。納得できなければ先に進まない。闇雲に方程式や公式を丸暗記する、というやり方をしないわけだ。
一般的にはそれは「できない子ども」として扱われがちだ。同居人は小学校勤務時代にいろいろな子どもを受け持ってきたわけだから、そういう子どもと話をするのことは慣れている。問題集の進行は遅いかも知れないが、数週間でその子どもは問題集をやってくることが苦にならなくなったらしい。それまではなかなか問題集をやってくることがなく、勉強も「いやいや」だったのだそうだ。
教え方は子どもそれぞれに応じて変える方がいい、と同居人は言う。しかし、アルバイトの大学生ではその方法も知らないし、経験も無いので、自分がたどってきたケースでしか話が出来ない。採用試験から言っても、たいていアルバイトの学生はそもそも「お勉強が出来てテストの点が取れる」というタイプだから「なぜわからないんだ」という禅問答になるのだそうだ。
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