2013年3月20日水曜日

煮干し


私の頃の「イラストレーション」の課題では、「細密描写」というのがあった。

ねちねちと細かいものを描写する、というものだ。デッサン、とは少し違っていた。
比較的小さなモチーフを、B3くらいに大きく描くのだが、何週間にもわたって見続けるのである。

授業が始まる前に「持参物」という掲示を出す。
「デッサン用の鉛筆、練りゴム、水張りされたB3ケント」
それからモチーフも持参である。
「煮干し、スルメなど、乾物。全体の姿が分かるもの。部分的なもの(干し貝柱、フカヒレ、ジャーキーなど)は不可。4週間以上にわたって変化しないもの」
つまり、4週間以上、同じモチーフを描く、ということである。
ちっこい煮干しをB3で描くのだから、相当拡大して描くことになる。

教室ではちっこい煮干しとにらめっこしている学生がいっぱいいて、来週用に煮干しを布でくるんで壊れないように箱に入れているのであった。

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