2013年3月11日月曜日

各自の自由


暗室作業というのは日本全国誰でも同じ作業をしているわけではない。作業者によってずいぶんその方法は違う。暗室で作業する道具、その配置も、人それぞれである。

勤務校には一時期、学内に4カ所から5カ所ほどの写真用の暗室があった。
写真を学ばせる専攻ごとに、それぞれ違う暗室があったわけだ。もちろん教える先生が違うので、道具も設備もみんな違うのである。同じ専攻でも、教える先生が変わるといろいろなものを変えることになる。
学校では何人かが作業するので、手順や方法などの統一が必要だが、個人作業になれば「各自の自由」なので、それぞれ自由にアレンジした道具や空間をつくりだす。世の中の暗室作業のバリエーションはとめどもなく多いわけである。

守るべき事項というのはいくつかあるが、それさえクリアすれば、作業の工夫は自由度が大きい。他人の暗室作業は手伝いにくいし、自分の暗室作業は人に手伝ってもらわないことが前提だったりする。この自由度の範囲の規定と大きさ、というのが、多分今のマニュアル世代には難しいんだろうなあ、と学生の暗室作業を見ているとよく思う。

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