2013年3月1日金曜日

スリッパ


さて、履物つながりである。

今時の子どもというのは、体格がよろしいものである。
数十年前は、私の靴のサイズ、22.5センチというのはほぼスタンダードなサイズだったのだが、今の女性靴のスタンダードはもう少し大きかったりするようだ。ときおり、女子学生で「靴のサイズが大きくてコンプレックスなんですう」というのがいたりする。どのくらいかと聞いてみると、26とか、26.5とかいうサイズである。確かに私の中では「大きい」が、クラスの女子の中には24.5とか25のお嬢さんもよくいて、「そんなことないよお」と言われていた。
女子だといくら大きくてもこのくらいなのだが、男子だと28とか29とか、想像だにしない大きさの学生がいたりする。

私の授業では、教室でスリッパに履き替えてもらう。廊下に下足箱があり、そこに自分の靴を入れるのである。
昨年あたりから、靴が大きすぎて、下足箱の扉が閉まらない、という学生が出現した。まあこれは、下足箱の上にのっけときなさい、で何とかなる。
困るのは学校が用意しているスリッパである。いわゆる「普通のビニールスリッパ」である。サイズは大人用ワンサイズ。22.5の私も、29センチの男子学生も、同じサイズのスリッパを履くわけである。

「すみません」。
大足の男子がやってくる。何かと思えば、
「スリッパが壊れました」。
脇の部分がぱっくりとわれている。彼の足では小さすぎたのか。ま、いいよいいよと、その場はおさめたが、数週間後、再び件の学生がやってくる。
「すみません」。
何かと思えば、また壊したらしい。スリッパは共同で使用しているので、常に彼が同じものを使っているとは限らないのだが。

新学期の準備の指示をする時期になると、スリッパ特大サイズというのを発注しようか、学生各自持参にするか、と助手さんと悩むのである。

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