さて、通っている美術館では、写真の展覧会とワークショップを開催中である。
写真、といえばアナログな時代は、光学や化学によって成立する表現である。勘ではなくデータやトレーニングが最終的な仕上がりに影響した。
学校の写真の授業課題と言えば、モデルの撮影会、ではなく、トレーニングがメインな時代があった。
スタジオの壁に先生が新聞の1頁を貼付ける。
4x5のビューカメラで複写である。レンズは開放で、頁の隅から隅までピントを合わせて、フィルム上で文字を読めるようにしなくてはらない。
やったことのある人は分かるだろうが、これはものすごーく慎重で厳密、正確でタイトな作業態度が要求される。1回でクリアできる学生はほとんどおらず、たいていは居残りで新聞の社会面を、うなりながら長時間眺め続けていた。
他にもこの手の課題がいくつかあって、私は密かに「人生修行」と呼んでいた。
課題というのは、面白くはないし、楽しいものではない。卒業して仕事をするようになるとやっとありがたみがわかってくるものだ。
2 件のコメント:
f11位に絞ればOKと思ったら、開放ですか。
それは神経使いますね。
三太夫
絞ったら、修行にならないです。普通の学生さんはまず、新聞の四隅が直角にならないです。先生は、ピントルーペ以外に、定規に分度器でガッツリと、駄目出ししてました。
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