2012年10月9日火曜日

選択


学校のカリキュラムというのは、ときどき「選択」というのがある。
いくつかの科目が並んでいて、好きなのを登録しなさい、というものだ。
基本的に講義科目などは「選択必修」という方式で、たくさんの講座の中からいくつかの科目をとって単位を充当する、という方法である。選択する授業数が少なければあまり受講人数の浮き沈みはない。年度によって、受講者数が200人弱、翌年は15人、というのはあまりない(と言うか、聞いたことがない)。
ところが実技科目の場合は、少し勝手が違う。作業をするスペースや機材の関係で、受講できる人数が限られてくる。人数の調整をするために、事務方がいろいろと作業していて、最終的には受け入れ人数ちょうど、という名簿が回ってくる。

担当している実技授業に「選択」な授業がある。学内のさまざまな学科の1年生が選択できるようになっている。実写映像系の基礎学習的な科目なのだが、油絵の学生や彫刻の学生がやってくる。美術学校なので、実技であれば何となく楽しく過ごせる、というのが通例だった。考えることは苦手だがガテン系は大丈夫、なのが美術学校のいいところだった。

ところが、えらくテンションの低い学生がいたクラスがあった。何をやっても、その学生のモチベーションが上がらない。後で聞くと、そもそも希望していた授業科目ではなかったそうである。

受け入れ人数の調整というのは、こういうところでデメリットが出る。学生は4月に第5,第6志望までの科目を書類で提出し、事務方が調整する。件の学生は第5志望だったそうである。むしろ、「志望しない」ほうのカテゴライズである。これじゃモチベーションは上がらないだろうなあ、と同情した。その学生がいわゆる「競争率の高い」授業ばかりを希望したりすると、このような悲しいケースになったりする。

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