2012年10月16日火曜日

解剖


小学校の授業内容というのは、時が過ぎるとずいぶんと変わったりするものである。

我々の世代だと、理科で「解剖」というのがあった。
しばらく前の世代だとカエルだったりしたようだが、私の世代では「鯉」だった。
ばたばたと暴れる鯉の頭を金槌で叩いて気絶させ、作業が始まる。お命を頂戴してしまうと、心臓が動いているところを見られない。叩き損なうと鯉は俎ではなく机から脱走する。大騒ぎである。

まあ考えてみれば残酷な話なので、昨今の小学校ではあまり解剖実習はやらない、という話を聞いたことがある。
まあやってみてなんぼの話だから、やらないよりはやったほうがまし、というので同居人がしばらく勤めていた小学校では解剖実習を決行することになったらしい。

早朝、業者が小学校に到着、トロ箱が理科室に搬入された。
トロ箱の中身はとれとれの「鯖」。業者は魚屋である。金槌で叩く手間はないだろうが、何か違うような気がした。

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