ちょいと昔は、よく「ご町内の皆様、古新聞、古雑誌がございましたら」とスピーカーから呼びかける軽トラックが住宅街を流していた。バネばかりで重さを量って、トイレットペーパーとか落とし紙なんかをくれた。
今時は、自治体が資源回収と称して、古新聞、古雑誌、なんかを持っていく。
まあたいていのご家庭には「古新聞、古雑誌」というのがある、のだった。
同居人が小学校で図工の授業をしていた頃、養生のためによく「おうちから古新聞を持って来てください」とアナウンスしていた。が、「うちは新聞をとってません」という子どもがちらほら出現するようになった。忘れてくる子どももいるわけだから、保険の意味もあって、同居人はときどき「ご家庭にある古新聞」を持参する。
ある日の授業は、古新聞を広げて粘土細工である。
「先生、古新聞ください」
先生は子どもに、実家から持っていった「古新聞」を渡す。
子どもは自分の机で、もらった古新聞を広げる。
子どもから手が上がる。同居人は「何ですか-」と聞く。
「新聞を広げたら、わさびの袋がはさまってましたー」
同居人の実家では鍋料理の場合、新聞を広げてカセットコンロをのせる、という「テーブル養生」をしていた。薬味やら調味料やらこぼしたり、小さなゴミが出たりしたら、そのまま畳んでしまう、という作戦である。
だから、自分の家の古新聞で作業をするのが望ましい。
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