秋は学園祭のシーズンである。
勤務している学校は、学園祭を中心に2週間ほど授業はお休みである。学校としてはコレを「課外活動」と考えているらしい。
学校には、いわゆる「学生自治会」というものがない。学園紛争のなごり、である。紛争のあげくに、学生自治会は解散し、以後学生の自主的な学内自治というのはなくなった。
しかし、学園祭はベツモノである。学生自治会がないので、当該年度の学園祭のために「芸術祭実行委員会」というのを、学生が自主的に組織する。学事予定に入っている学園祭周辺の2週間の学内管理は、「芸術祭実行委員会」が担当する。その間、学校の事務局側は学内管理を学生に移管する、というかたちになっている。
学内管理を移管されるとなると、管理要員は学生が請け負うことになる。もちろん学園祭当日に向かっての教室配分とかイベント、スケジュールの調整はもちろん、学園祭当日は喧嘩を仲裁する警備とか、怪我人と酔っ払いを看護する看護とか、学内の交通整理とか、いろいろである。
学園祭直前の授業は、学生のモチベーションが「準備」に持っていかれてしまう。出席率は低下、出てきても上の空である。学園祭終了後は、燃え尽き症候群なのか、学校に来なくなる(「沈没」と称する)学生もちらほら出る。そういう学生は、ときどき留年してしまう。たかが学園祭、どころではないのが美術学校である。