今の学生さん世代は「デジタルネーティブ」と呼ばれている。
しかし今のデジタル技術というのは、ベースにアナログ技術が入っていることが多い。
関わっている映像系のジャンルで言えば、画像系の編集ソフトは多かれ少なかれアナログ時代の編集を思い起こさせるメタファーを多く使っている。
写真加工で言えば、Photoshopというのがよく使われている。ソフトの中のツールに「覆い焼き」というコマンドがある。アイコンは、丸に棒がついたようなもので、実際に暗室作業で覆い焼きするためによく自作したものだ。暗室作業をやったことがあれば、なるほどと思う。しかし、今の学生さんの世代だとフィルムカメラを扱ったこともなければ、暗室作業をやったことがないことが多い。果たしてこのアイコンとコマンドが何を意味するのかわかるのだろうか、と思う。
映像系の編集ソフトで、Premiereというのを授業では使っている。映像の単位として「クリップ」と言っている。フィルムで編集する時に、フィルムを切り出して洗濯バサミで吊るしていたので、「クリップ」である。コンピュータ上の「クリップ」を切り分けるのは「レーザー」ツールで、アイコンは「カミソリ」である。私の世代だと、オーディオの6ミリテープの切り貼りはカミソリの刃を愛用した。ハサミだと、狙ったところを切りにくいし、刃の厚みがあって切り口が巻き上がりやすい。カミソリだと刃の厚みがなく、すっきりすぱっと切れるからである。
しかし、実際にフィルムやテープといったものを扱ったことがなければ、ピンとこないだろうなあと思う。
これも時代とともに変わってくるのだろうか。
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