2015年7月2日木曜日

補正

今の学生さん世代は「デジタルネーティブ」と呼ばれている。
デジタルな世代は修整好きである。

実写の動画を教えている。編集ソフトではいろいろな機能があって、エフェクトもたくさん使えるようになっている。ここ数年の質問で多いのは、撮影した動画素材を修整することだ。
水平垂直を修整する、画面のサイズを修整する、などはまだ序の口である。背景のアレを消したい、向こうのコレを移動したい。ビデオだと音声も同録なので、ついでにセリフにかぶっているヘリコプターの音を消したい、などという要求が多い。
撮影はフルHD、編集も上映もフルHDなので、画像のスケールや回転といった加工技術を使って修整すると、上映時の解像度が下がることがある。背景のオブジェクトを消したり移動したり、などという作業は、ちょいちょいとした作業では済まない。音声も一緒のトラックに録音されたものは、各要素に分解はできない。
やってやれないことはないのだが、それが簡単にできるわけではない。だから「三丁目の夕日」という映画は話題になったのである。1960年代の風景がそのまま、最先端の技術で画像になっている。もちろんセットや道具ばかりではなく、CGも駆使、である。こういった加工をする、とう前提で撮影も行われている。あとから加工するためには、加工しやすい素材が必要になるからだ。

制作のプロセスを知らなければ、修正前と修正後だけを見ることになる。簡単に見えてしまうのだろうなあ。デジタル技術というのは、簡単で誰にでもやれそうに見えてしまうのが難点である。

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