2015年7月20日月曜日

蹴り

締め切り間際に人間同様の馬鹿力を期待しても、機械には通じない。無理をしたら、機械はフリーズし、データが壊れ、結局は時間が無駄になることが多い。
授業なので、機械相手の作業はそんなもの、というのがわかれば御の字である。たいていの学生は、それ以降、もう少し早めにスパートするようにスケジュールを組むものである。

数年前の他のクラスの学生のことである。やはり締め切り間際だけスパートをかけ、機械に負荷をかけて、結局フリーズさせてしまい、データがふっとんでしまい、あげくにハードディスクが立ち上がらなくなった、というケースがあった。機械だからしょうがないのよ、というのが、こちらの常套句である。残りのデータをサルベージするにせよ、システムを初期化してクリーンインストールするにせよ、数分では作業はできない。今日の作業は無理だねえ、と言った途端にその学生はブチ切れて、マシンに蹴りを入れたのである。
ばっこん。
ケースに凹みができて、これはきっと中のボードが落ちてるなあ、という外見になってしまった。ハードディスクだけが無事とは思えない。
初期化では済まない。修理である。数日では済まない。しかも料金が発生する。下手をすると高額である。


後にも先にも、マシンに八つ当たりしたのは、その学生だけである。 

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