2015年3月23日月曜日

心得

年度末、と同時に、新学期の準備、というのも始まる。国立大学の合格発表が終われば、新入学の学生数はほぼ確定する。名簿の作成や、教室の準備、新入生のガイダンス用の印刷物の作成などが始まる。

勤務校から来るのはシラバス程度、あとは総務から事務手続き書類が若干来る程度である。毎度の話なので、こんなものか、なのであるが、初任者には心もとない書類の数かもしれない。

同居人の勤務校からは、今年はかなりたくさんの書類が届いていた。新入生の心得、ばかりではなく、非常勤講師の心得、という冊子付きである。どこで出勤をチェックするか、出席の取り方はどうするのか、といった細かな指示である。講師控え室にあるコピー機のコピー単価が並んでおり、学生への配布物作成にプレッシャーをかけている。その一方で、電子書類配布用のサーバーを導入したようで、サーバー利用の手引きと言う冊子も同梱である。

いわゆる「ゼロックス」というコピーマシンがなかった時代は、授業時に配布書類などなかった。身近になったおかげで、授業時の配布書類と言うのが飛躍的に増えた。理由の一つは、テキストにする書籍が、帯に短かったりたすきに長かったり、講師の書いた文章や参考資料を集めたものだったりするからだ。もう一つは、書籍を読め、と言っても学生は読まないので、授業時に配布してその場で読ませる、という方法に移行したからだ。書籍を買ってしまうと、大事に本棚に残る可能性もあるのだが、コピーで渡されると授業が終われば散逸してしまう可能性の方が大きい。将来的にどちらの方が「財産」になるか、と言えば「書籍購買」なのだろうが、学生さんの方は目先のお財布の中身の方が大切なので、「書籍購買しない」選択の方が多い。
コピー代金よりも、電子書類配布用のサーバー設置の方が安上がりなのかもしれない。コピーされた配布書類であれば、何かの折りに見直すこともあるかもしれないが、電子書類であれば消去するのは簡単である。もっと記憶に残りにくいのではないかと思ったりする。

微妙に便利、な時代ではある。

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