同居人につきあって、先週末は仙台方面弾丸ドライブツアーとあいなった。
常磐道が開通した直後である。東北の震災で開通時期が延期になり、原発事故の影響でまたまた延期になっていた。
震災後に現地ツアー、という話もあったのだが、ちょっと辛そうな感じがして、東北方面にはなかなか足が向かなかった。折しも、高速開通、というので走ろうか、ということになった。こういう「開通直後ひとっぱしり」が好きな同居人である。
外環道からつくば経由で、常磐道に入る。放射線の線量の電光表示板があったりする。車の中にいれば、単なるドライブなので、エンコしたり、パンクしたりしなければいいけどなあ、くらいの会話だった。道路は途中から片道1車線。追い越しも出来ない、単なる「有料道路」である。その狭さが、工事の困難さを見せているような気がする。
途中には帰宅困難地域を通過する。それまでは「田植え前の田んぼのある農村風景」だったのに、いつのまにか草ぼうぼうの荒れ放題の田んぼや畑であったろう土地、人の気配のない農村、さびだらけの軽トラック、朽ちた農機具小屋、瓦屋根をおおう白いシート、立ち入り禁止の検問所が見えるようになる。比較的新しい家もあるのに、カーテンや雨戸がぴったり閉めてある。途中の電光掲示板の数字が跳ね上がる。
足尾銅山で廃村になった地域がある。写真集で見た風景が重なって見える。それまで「普通」に生活していたのに、ある日いきなり「ひと」だけがいなくなってしまった「痕跡」を見ているようだ。
こんな状態であるにもかかわらず、原発の再稼働など考えられない、と個人的には思う。
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