授業の前には機材の準備が必須である。
メカニカルな機材の時代では、スイッチ類は一瞥して状態を把握できた。デジタル世代の機材は「MENU」というのが曲者である。メニューボタンを押すと、各種設定の画面に入る。設定は段階的に行われるようになっているのが普通なので、3段階から4段階で目的の設定にたどりつく。メーカーによって、設定の名称や設定方法が違うので、見当をつけるにはちょいとコツがいる。
カメラで言えば、電源を入れれば撮影できる、ようにはなっている。ただし、メニューをいちいち撮影前に確認しないと、直前の使用者の設定したスタイルで撮影を始める、ようになっていることが多い。通常こういった機材のオーナーやユーザ、オペレーターが、複数で機材を共有する、という使い方はあまりしない、とメーカー側は想定しておる。だから、学生さんが撮影に出かけて、帰ってきて素材を確認すると、とんでもない設定で撮影されていることがある。16:9の縦横比で撮影していることを想定しているのに、4:3だったり、撮影解像度が違ったり、白黒モードだったり、録画ファイルの設定が違ったり、ということがある。学生さんが日頃使うようなコンパクトなカメラやスマホは、細かい設定をしなくても済むようになっていたりするので、「設定をいじる」という概念は、彼らには皆無である。
授業の機材準備も、すんなりと終わる訳ではなく、各種設定をいちいち確認しなくてはならない。取り急ぎ、すべての設定を「初期化」しておく、というのがスタンダードな作業である。
設定を多く使えるのは、便利なことかもしれないが、結構めんどうなのである。
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