2014年5月16日金曜日

寿命

担当している授業は、映像の表現に特化した専攻の基礎授業である。だから、使用機材も将来的に使う、だろうなあ、というクラスの機材を使う。いわゆる「業務用」クラスである。これくらいなら、2年生の授業でも使うだろうし、4年の卒業制作でも同等程度、あるいはもう少し進歩した規格のものを使える基本は学べるはず、だと思う。
ただ、私物として買うなら、ちょっとお高いかもしれない。これが御飯の元になるとしても、毎週日曜日にブライダルビデオのアルバイトでも入れなければ、機材の元を取った気にはならないかもしれない。
あるいは、3年先の卒業制作でも現役で使えるか、と言えば、前にも言ったように「ビミョー」である。だから、1年生の授業では貸与機材で作業する、というのが基本的なルールである。

ひとつには、同じ機材であれば、取り扱いの説明がしやすい、というのもある。いくつかの機材をいじったことがあれば、カメラであれば取り扱いは似たようなものだ。ただし、カメラというものを一切いじった経験がなければ、五里霧中なので、同じ機材で同じように説明する方が効率的だ。それが彼らの「基準」になれば、次のカメラの取り扱いはさほど面食らわなくても済む、はずである。
問題は、共有機材だと、扱いがぞんざいになりがちなことである。自分のお金で買ったものでなければ大切にしない、というのは、私としてはとても悲しかったりする。図書館で借りた本に書き込みがあったり、ページが破れていたりするようなものである。

だから結局、共有機材でも、今は4-5年使えれば「良い」方なのかもしれない。フィルムの時代のメカニカルな機材は、20年現役、というのがざらにあったりした。電子機材はことに軽量化のためにプラスチックのパーツが増え、つくりは「やわ」なものになった。したがって、寿命が短いのである。

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