実習、といっても、数週間で数単位、でしかない。
教育実習ほどシビアに内容が絞ってあるわけではない。実習をする「博物館相当施設」によって、内容がずいぶんと違う。
実習して学習した分野の博物館に学芸員として就職、することは、ものすごくレアなケースだと思われる。だから、自分の専攻分野と教員の専攻分野と興味のある専攻分野と、ちょっとずつベクトルが違う、という現象が現れる。
私は美術館で仕事をしていたので、学芸員という資格でもとるか、というスタンスだったのだが、資格を取った大学の「実習」は、とても広く浅く設定されていた。額縁のかけ方ーワイヤー金具の扱い方とか、古文書の修復ー和紙の虫食い補修とか、複写とか物撮りの方法とか、展示物固定用のテグスの結び方、などである。美術館に帰って速攻役に立つもの、ではなかった。
他にも資格取得経験者の話を聞いていると、夏に数週間かけて「わらじを編む」とか、土器の修復とか、壁紙のレタッチとか、掛け軸の巻き上げ方とか、いろいろである。
いずれにしても、「広く浅く」なので、まあかじってみたか、という状態で終わってしまう。
長じてみれば、分野外の作業はなかなかお目にかかることはないので、がっつりと作業することがあれば面白いと思うのだが。
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