2014年8月17日日曜日

メモリー

電池と言えば。

いまや映像系の機材の多くは「電動式」である。
私が電子映像、といったものに手を染め始めた頃は、カメラ用、ビデオデッキ用、モニターディスプレイ用、もちろん別録り用のマイク、マイクミキサー、テープデッキ、照明が必要なら照明用と、それぞれに「バッテリー」が必要だった。当然のように、「汎用バッテリー」などはない。メーカーも製造時期もそれぞればらばらである。ロケに行って、カメラ用のバッテリーを忘れた、などという失敗もした。


当時はニッケルカドミウム電池、というのが主流で、これがまた重い。しかも、他に選びようがない。軽量とか、材料違い、などあり得ない。
この種類の電池は「メモリー」というのが癖である。中途半端に充放電を繰り返すと容量が減る、といういやな癖がある。例えば、容量40パーセントくらいで、補充のために充電を始めたとする。電池君は、充電を始めた時点を「ゼロパーセント」と「メモリー」するので、次回は容量40パーセントで「もう電気はありませーん。ゼロパーセントでーす」と宣言するようになる。
高級な充電器には「放電装置」というのがついていて、全部の電気を放電してから充電する賢い機能がついていた。ところがこの「放電」にはえらく時間がかかるので、駆動時間90分のバッテリーの放電と充電に一晩かかったりした。
それでもだんだん使用頻度に従って容量はへたってくるので、数年で交換である。現在のように機種変更が頻繁ではなかったが、一代の機械に数回のバッテリー入れ替え、そして本体ごと買い換え、という感じで使っていた。

民生機は機種変更が頻繁になったので、バッテリーがへたる前にカメラを買い換えるようになった。そのうち、リチウム電池が使われるようになった。同じ要領で格段に小型軽量化できる。メモリーしないので、途中で「継ぎ足し充電」ができる。ありがたいことである。

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