2014年8月3日日曜日

群れ

勤務校のOB会は、小さな地方支部の集まりである。

地方支部では、各府県の卒業生に連絡をとって懇親会やグループ展などのイベントをやったりしている。もちろん、まんべんなく全国で活動しているわけではなくて、卒業生が少なかったりして「休眠」状態のところもいくつかあったりする。
総括しているところの本部は、卒業生から会費を集めて、名簿の整理や会報の発行をしていたりする。地方支部には、活動人員と活動内容に合わせて、卒業生から集めた「同窓会費」から、活動費を分配する。

私が「幹事さん」をやり始めた10年以上前から、地方支部の人からよく言われる「お悩み」がある。たぶん今もあまり変わっていないだろう。
最も多いのは、若い人の参加が少ない、ということだ。
年間700人以上も卒業生を出しているのに、地方支部の活動には全く参加しない、というのが、60-70歳の卒業生には納得できないらしい。大昔は学生数が少なかったので、こじんまりとした学校で、上下左右顔を知っていたりした。だからこそ、卒業生になっても「群れやすい」のであって、卒業生が多くなればお互いを知る機会もなく、群れる必要性も感じなくなる。
もうひとつの理由は、個人情報保護法である。以前は、例えば卒業して北海道に住む人をピックアップした名簿をつくって、地方支部の事務局に送った。事務局では、展覧会や懇親会のお誘いのお葉書を発送するわけだ。それがきっかけになって、年齢や専攻の違う先輩と顔見知りになる、といったことで活動に繋がった。今は、卒業生の住所を教えることが出来ない。作戦却下である。
他にも理由がある。専攻によっては「展覧会など縁が無い」業界や職種もあるわけで、グループ展が活動の中心だと、美術系以外の卒業生は参加しにくかったりする。


たいがいの人は「損得勘定」を考える。私のような「美術系でない」「個人的な美術作品をあまりつくらない」「展覧会の展示形態に向かない」「群れるのは嫌い」だったりすると、はなからOB会の活動など眼中には入らないかもしれない。

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