2014年8月8日金曜日

実習

学校では夏休みがある。
夏休みは美術館で写真撮影記録の作業をしている。
毎年のように、美術館で作業しているのだが、同時期に「学芸員実習生」というのが相席する。

学芸員、というのは、大学で発行する資格の一つだ。美術館とか博物館に学芸員という名前の研究職として就職するときに必須の資格である。
横文字で言えば「キュレーター」、ひところ「流行」になった「横文字」商売のひとつである。

教員免状も同様なのだが、学芸員資格というのも、大学で「養成コース」を受講して、数単位の実習作業をする。
いろいろな大学で免状を出しているのだが、免状クリアのための授業の科目や設定はそれぞれの大学で少しずつ違う。

学芸員「実習」という科目があるのだが、学校によって「内部の施設」か、外部の施設で実習するかが違う。私が資格を取った学校は、基本的に有無を言わさず、全部学内の施設で実習をすることになっていた。学内の「博物館相当施設」である。

学校によって、これがずいぶん差がある。
考古学も「博物館」だし、美術館も「博物館」。科学技術館も「博物館」である。実習に来た日には、有無を言わさず実習する羽目になる。博物館で考古学をやりたいのに、なぜか額縁展示の実習をしたり、現代美術をやりたいのに『古文書の修復」が課題だったり、西洋美術をやりたいのに「縄文土器の修復」が課題だったりする。しかもそれが数時間の実習なので、「ものになる」はずはなく、単なる経験でしかない。私が受講した授業のひとつは「複写」だったりしたので、先生のサポートに回ってがっつり照明セットを組んだりしてしまった。先生にしても、社会人が来るような授業はやりにくいだろうなあ、と思いながら、レフ板の調整をしたりしていた。

さて、美術館の夏は、いろいろな大学から「実習生」がやってくる。学生さんは自分の大学、自分の事情しか知らないので、いろいろと話を聞いていると面白い。

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