2017年6月22日木曜日

現場

担当している授業の一つは、1年生のクラスである。当然のように、毎年1年生を見るわけだ。最近の学生さんは浪人が少ないので、概ね18−19歳くらいの「青二才」である。
10年以上前から「ケータイ」世代。そういえば、「ポケベル」世代というのもあったよな、などと思うのだが、ここ数年は「スマホ」世代である。ケータイ以上に、自他共に認める「依存症」が多い。いくらケータイ好き、と言っても、今のスマホ好きにはかなうまい。
構内の廊下や、通路など、こっちが気をつけないと、歩きスマホ学生に正面衝突しかねない。教室や廊下のコンセントは、必ずどこかで「充電中」のガジェットがぶる下がっている。そんなに熱中していてバッテリーを消耗して、肝心の連絡がつかなかったらどうするのだろうと思っていたら、鞄の中からモバイルバッテリーを出して見せてくれた学生がいた。ひとつ、ではない。二つ、三つである。
授業中のtwitterが数年前までのトレンドだった。「いま授業なう」、である。さて、ここ1−2年はLINEが流行である。twitterやfacebookなどは、投稿すれば一段落するSNSだが、LINEは常時相手がいてやりとりするような構造で、必然的にスマホ凝視状態である。もちろん授業中もひっきりなしに何か打っている。打ち終わると、1−2分したらまた打ち始める。私の世代で言えば、長電話状態である。受話器を置かずにずーっと抱えている感じである。
授業中に情報を収集したり、デバイスで書類を参照したりすることが多くなって、授業中スマホ禁止と大声でアナウンスはしていない。デバイス上のマニュアルを見るついでにLINEを始めてしまうと、授業の方は上の空である。途中でお腹が痛いのでトイレに行っていいですか、というので、本当に具合が悪いのであれば保健室に行きなさいね、と言ってドアを開けたら、ハンカチではなくスマホを握りしめている。お腹が痛くてトイレに行くのに、なぜスマホが必要なのか、理解に苦しむ。あげくに、スマホで授業以外の作業はしないように、特にLINEは、などと中学生に言うような注意をする羽目になる。これが高等教育の現場なのかと思うとがっくりである。

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