2017年6月16日金曜日

蕎麦屋

曾祖父は、大学で教えていた。大正から戦前の話である。
大学は今ほど給料を出さなかったので、ほぼ無給というのが雇用の条件だったらしい。その頃の家訓が、そば屋で昼飯を食べない、というものだったそうだ。
授業の合間に昼食を外でとることになると、どうしても同僚と一緒になる。話はどうしても授業の話だったり、教え子の話になったり、愚痴だったり、する。どこで誰が耳をそばだてているか分からない。学内のことは外部に出すな、という教訓である。
翻って、いまどきの先生たちはよく外に食べに行く。同僚も伴う。近所の飲み屋で大騒ぎしているグループがいて、様子をよーく観察していると、近所の学校の先生だったりする。がっかりである。
新学期になってから、先生のtwitterが話題になった。「思っていたようなクラスのメンバーにならなかった」といった趣旨のコメントである。案の定炎上である。
発言の内容以前に、twitterがいまどき「ひとりごと」だと思っている方もいかがなものか。お仕事の愚痴を外には出さない、というのは、先生という職業以前に、どんなお勤めであっても前提なのだと思っていたが。
人はさまざまな失敗を重ねて大人になるものだが、今日ではちょっとした失敗も、大問題になってしまい、「重ねる」どころの話ではない。辛い世の中、ではある。

0 件のコメント: