2013年12月23日月曜日

つながり

学生さんの制作課題を見ていると、ひんぱんに小道具として携帯電話あるいはスマートフォンが出現する。下手をすると、のべつ耳元の端末にしゃべりっぱなしだったりする。

初心者が制作する場合は、ストレートに「自分の現実の生活」が反映されることが多い。彼らもきっとそうなのだろうと思う。
ただ、映像でドラマやドキュメントをつくろうと思っているにもかかわらず、事件の発端は「携帯電話がかかってきた」ことで始まり、それに対して「携帯電話で誰かを呼び出し」たり、「携帯電話で誰かに相談」したり、「スマホでメールを送信」したり、「スマホをいじって解決方法をググってみた」りして、事件が終わると「携帯電話で誰かに報告」したり、「お礼メールを打った」りするのである。


携帯電話の宣伝のようである。


彼らにとって携帯電話やスマホは、他人とつながるためのツールではあるのだろう。「直接顔を見て会話する」のであれば、会話のやり取り、双方のリアクションを映像で見せることが出来るが、電話では片方だけしか見せることが出来ない。芝居としては、片方だけで二人分の状況を見せる訳だから、難しい。言語的な情報を伝えることは出来るかもしれないが、見えない相手の感情を見せることはさらに難しい。
コミュニケーションとは相手あってのものだからだ。

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