大学に進学した学生さんが、一人暮らしをする。
生活必需品というのがいくつかあって、我々の世代だとまあ冷蔵庫、くらいだろうか。女子学生はmy洗濯機が欲しいものだが、男子学生はコインランドリーなんかをよく利用した。固定電話は、ちょいと高嶺の花だ。開設するのに、電話の権利を買ったり、回線を手配したりと、けっこうな金額と手間が必要だったからだ。
私が助手をやっていた頃の、就職活動の必需品に「電話」がリストアップされた。面接の予定の打ち合わせやら、合否の連絡を、会社から学生個人宛に電話するようになったからだ。それまでは、実家に電話連絡だったり、下宿に郵送だったりしたのだが、時代はスピードアップしていくものである。当人に連絡がつかなければ、補欠の1番に連絡がいくようになるわけだ。合格を逃すわけにはいかない。就職と電話と、どっちか大切かと言えば、就職である。コインランドリー通いをけちっても、電話を用意するのである。
ところが、就職活動をしている学生は、日がな1日電話の前で待ち構えているわけにはいかない。次に流行ったのは留守番電話、その次は外出先から留守電を聞けるリモコン機能付きの留守番電話、その次はファックス付きの留守番電話である。
就職活動は、学生の生活必需品を変えるものだったのである。
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