2013年11月15日金曜日

間違い

まわりに電話持ちの家庭が多くなると、子どもがやることは「お友達への長電話」である。

電話をしにくる人が多かった我が家では、時代を経ても、相変わらず「玄関にお電話」が鎮座している。
冬場の長電話は寒いのである。だから、早々に友達の話を切ることもあった。
毎日学校で顔を突き合わせているので、何を今更、と親は思っていたに違いない。まあそれでも話すことがつきないし、箸が転がってもおかしい年頃なのである。

ご家庭の電話へかけるので、最初に出るのが、話したい本人であるとは限らない。お母さんだったり、お兄さんだったり、お手伝いさんが出たりする。
「もしもーし」
…と私。
「はいはい」
「昨日の宿題のことだけどねえ」
しばらーく話していると、どうも話が食い違うような気がする。
「もしもーし」
「はいはい」
「ケイコチャンよねえ」
「ちがいまーす。ヨーコでーす」

ケイコチャンとお姉さんはとても声がよく似ていたりする。よく間違われるそうであった。

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