大学に行ったら、もちろん「ご家庭宛の連絡網」などあろうはずがない。
学校や研究室の連絡はすべからく「掲示板に掲示」される。見落としたら「負け」である。休講、教室変更、レポート提出、試験内容、ぜんぶ「掲示」なので、大学に行ったらまず「掲示板」に直行である。見落として試験会場を間違えたり、レポート提出の期限を間違えたりした日には、単位はもらえないからである。大学から個人宛にわざわざ電話で「試験会場はこちらですよー」と連絡が来るはずがない、というのが前提である。
時代変わって現在は大学から学生にそれぞれメールアドレスが配布される。学校側からの連絡は、そのメールに配信されますよ、というシステムである。明日は台風が来るので休講、なんていうメールが来るわけである。台風の中、止まっている交通機関を調べて、動いている電車やバスを乗り継ぎ、ずぶぬれになってきてみれば、「本日は全講義休講」という大きな掲示があった。がっくりである。
まあ、そういったシステムなので、研究室がアドレスをソートして、特定の講座の受講生だけに「明日の教室はこちらに変更です」などという連絡も出せるようになった。我々の世代から考えれば、「ちょーべんり」である。
ところが、教室変更の連絡メールを出してもらったはずなのに、受講生が全部揃っていない。数十分後「教室変更を知らなくて」とばたばたと駆け込む学生がいる。メールを見ていないのかと、後で聞いてみると「迷惑メールにしていた」というのがいた。受講していない授業の連絡が多い、課外講座の開催通知が多くくるがそのほとんどには興味がない、などという理由で、自分でフィルタリングしていたり、送信元を見てスルーしたりする。意味がない。
我々の頃だと、「掲示板を見忘れていた」「掲示に気づかなかった」というレベルである。技術が進歩しても、人間は進歩しないものであった。
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