2013年9月7日土曜日

安全

同居人はメタボな体格である。ついでに金槌である。
趣味はヨットである、と聞いたときに、あの体格で泳ぎが達者なんて…と思ったが、金槌だった。泳げないから船の上にいるのだそうだ。

金槌だけに、安全装備の準備はおさおさ怠りない。船の安全装備に、ライフジャケット、救命胴衣というのがある。検定品というお決まりの装備品があるのだが、ワンサイズなので、胴衣の前がしまらない。もがいているうちに、脱げること必須なので、自分サイズの救命胴衣を探す。
日本ではあまり需要がなくマーケットが小さい。今時はインターネットで海外のお店で買うことが出来るのが便利である。体格や体重で色々サイズがある。よりどりみどりである。
ついでにその頃「自動膨張式」というタイプが、流行っていた。通常の救命胴衣はぶあついウレタンを着込むというスタイルなので、暑苦しい上に動きにくい。自動膨張式は、細い帯のようなものを着るのだが、小さなガスボンベが仕込まれていて、落水すると自動的に膨張して浮きになる、というものだ。暑い日や、動かなくてはならない時は便利そうだ、と早速新兵器を買い込んだ。
その年の夏、用具の入れ替えなどして、しばらく自宅のガレージに自動膨張式救命胴衣が置かれていた。ふと気づくと、ジャケットがぱんぱんに膨らんでいた。ガレージ内で落水はしないよねえ、と言ってメーカーとやり取りしていた。温度差や湿度差もセンサーの誤作動の要因になるということだった。遭難する前に船の上でぽんと膨らんでしまったら困るのである。2-3日経つとジャケットはしおしおにしぼんでいた。膨らますのに使ったガスが抜けてしまったのだろう。落水したら24時間以内に引き上げてもらわないと沈没、ということである。

新兵器は便利そうだが、プリミティブなものの方が安心できそうである。

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