その次に挙動不審になったのは洗濯機だった。当時流行だったカウンター下収納ドラム式洗濯乾燥機というやつで、これもまた国内メーカーが製造を撤退した。新築時に導入したのはイタリア開発の機種で、当時の新築マンション設備御用達だったらしい。今では店頭販売もなく、国内代理店だけが販売を扱っているようだ。インターネットで検索しても、あまり情報はなく、あっても悪評が多い。得てしてインターネット上の「口コミ」というのは、ネガティブな情報が多いから、あまり気に病むことはない、といっても、あまりにも悪評が多いので、すこーし気にはなる。国内代理店に電話をすると、あまり要領を得ないおじさんが対応に出る。同じことを何度も説明するうちに、代理店業務そのものが心配になる。こちらも冷蔵庫同様、洗濯機の入るサイズという物理的な条件が決まっている。選択肢は、同じメーカーの後継機種に買い換えるか、洗面所の造作を大工に頼んで作り替える、という方法になる。そもそもドラム式洗濯機のお値段は高いのだが、大工仕事を入れて国産縦型を購入してもご予算はほぼ同じ。どうしようかとしばらく悩んで、同じメーカーの後継型を頼むことにした。
新築時に予想外だったのは、ドラム式の洗濯機はかなり重たいことだった。新築時に入れたときは、業者がかなり手こずったので、今回も大丈夫なのか心配した。意に反して、交換に来たおじさんたちは、かなり手慣れた様子でほいほいと入れ替えていった。やはり後継機種に入れ替えるご家庭が多いそうだ。そうだろうなあ、サイズとお値段を考えると、入れ替えるにあたってほかのメーカー、などと言う選択肢がほとんどないからだ。使用電圧を上げなくてはいけなかったので、前日に電気屋が来て工事済み、洗濯機が使えなかったのが挙動不審になってから1週間から10日ほどだった。
電圧が上がり、洗濯機が格段に静かに動くようになった。どうして早く買い換えなかったのかと悔やむほど快調である。給湯器直結で、60度の高温洗浄、汗臭い同居人のTシャツもさっぱり、スイッチをいくつか組み合わせて、洗濯から乾燥までおまかせである。国内で普及しないのが不思議である。
10年たったら、家電業界というのは劇的に変わった。国内メーカーなら安心、と思っていたが、倒産やら海外のメーカーに吸収などということもある。国内メーカーだと思っていたら、他の国で製造していたりする。メーカーやブランド、というのがどこまで「アテ」になるのかもわからなくなった。難しいところ、ではある。
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