2013年10月6日日曜日

ロンドン

カナダのトロントに知り合いがいるので、何度かお世話になった。
日本から言えば裏側、直行便はえらく高いので、貧乏世界旅行の途中で寄るとか、安い飛行機を乗り継いでいくとか、そういう作戦が多かった。
そのカナダ人の知人は、親日家ということもあって、日本人の世話をすることが多い。政府関係で来る人は必ずアメリカ乗り換えなのはなぜか、と言われた。単に、コストパフォーマンスの問題だと思うのだが。直行便に比べると、時間もかかるし、到着がまた半端な時間なので、ビジネスマンは利用しない方法だ。北米経由で乗り継ぎなら半額近くになることがある。

ずいぶん以前に、貧乏旅行のついでにそういった飛行機の乗り継ぎやりくりをしていたことがあった。
成田から、アメリカの航空会社でデトロイト乗り換え、トロント行き、という切符を買った。PAN AMがもう既になくなった後で、ユナイテッドかデルタを使ったと思う。到着が夕方遅くになるので、とりあえずトロント空港そばのホテルを予約しておいた。
成田を離陸すると、様子がおかしい。やたら旋回する。エンジントラブルで成田に引き返した。機体交換で、5−6時間遅れで離陸。もちろん乗り継ぎ便は当該飛行機会社が世話をするはずだ。デトロイトに到着したら、transitの札を上げた係員がいる。Toronto、と言うと、こっちこっち、と手を引っ張られる。預けた荷物は、と聞くと「何とかなるからとにかくこっち」と言われる。入国監査を割り込んで終えると、ターミナルを駆け抜けて、インターナショナルではなく、ドメスティックに行かなきゃ行けないからねー、とバスに押し込まれる。この時点で、デトロイトは巨大な空港だと思った。ターミナル間はバスで連絡しているのだが、2−3分ではないくらい遠い。成田からの出口で渡されたメモの搭乗口につくと、小さな飛行機である。太平洋路線はジャンボなので、小さく見える。
こんなに遠く離れているのに、スーツケースが一緒に来ているとは思えない。乗り込んだらすぐにドアが閉まって離陸。
着いたところは、LONDON。もちろんイギリスではない。ターミナルも2階建ての小さな建物で、畑のど真ん中といった雰囲気。夕方も6時を過ぎたので、売店も店じまい。さびしいものである。ドメスティックなのに着いたところは外国である。
当然、ここが終着点ではない。transit ! と叫ぶと、係員がやってきて、ボーディングパスとチケットを確認、あわててこっちこっちと手を引っ張られる。小さな事務室に案内されると、貫禄なおばさんがパスポートをチェック。珍しいねーと言われ、これがカナダのイミグレである。はんこをポンと押して、あそこの飛行機に走って乗れ、と指された先は、タラップのあるセスナ機である。どう考えても、スーツケースが一緒に来ているとは考えられないが、ここでもめて人間を置いていかれるのはいやなので、階段を上って乗り込む。乗客は数名。席に着くと同時に、扉は閉まり離陸した。
小1時間で到着したのがToronto空港。しかしドメスティックなエリアなので、やっぱりタラップで、ターミナルビルははるか彼方である。やはり荷物など本人と同行してはいない。荷物はどこかと言うと、最初の飛行機会社の国際線ターミナルの窓口へ行け、と言われる。
国際線のターミナルまで走り、係員に聞くと、とりあえずカローセルに行ってみろ、という。スーツケースを探すと、当然のようにカローセルに取り残されていた。なぜ荷物がここにあり、人間はたらい回しにされたのか。理不尽な思いもするが、既に真夜中も過ぎ、係員も皆無。タクシー乗り場ででホテルに行って、とお願いすると、近すぎるので乗車拒否された。
成田を出て、半日以上、荷物を引きずりながら、くたびれて未明にホテルにチェックインした。時差ぼけも何のその、バタンキューである。
直行便をケチったばかりに、カナダ国民も滅多に行かない飛行場まで行ってしまった。時々、自慢する。

教訓:飛行機代をケチる時は考えた方が良い。

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