人間、マニュアルを「読まない派」と「読む派」に大別できる。
新入生のクラスでは、あらかじめテキストを読むように初日に言い渡す。しかし全員が読んでくるとは限らない。読まないでぶっつけ本番、当たって砕けるタイプの学生がいくばくか存在する。
そういう学生のために、いくつか落とし穴を用意する。大失敗、ではなく、小失敗になるように仕込んでおくことがミソである。
こちらの思惑通り、落とし穴にがっつり落ちてしまった学生さんには、申し訳ないが反省していただくことになる。「テキストにあらかじめ記述してあり、前日までに読んでおけば、落ちなかったはず」であることを、周囲の学生も含めて指差し確認する。
落とし穴にはまってしまったことでマイナスに評価するわけではない。しかしその後、「マニュアル読む派」にならなければ、マイナス評価になる。
危険な工具を扱う工房では、ちょっとした不注意や知識不足が、怪我のモトである。高額な機材を扱うジャンルでは、思わぬ失敗が、金や手間では取り返しのつかないことになることがある。
人生、石橋を叩いて渡る、のが私の作業ジャンルでの鉄則である。
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