コンパ、というのは、まあ社会の人間関係の予行演習のようなものだ。
新歓コンパは楽しそうに見えるが、実は結構それなりに手間がかかる。
場所の確保、日時の設定、会費集め、広報宣伝、酒と食材の調達、会場の整備、準備、式次第の作成と進行、現場の管理、後片付け、会費精算、といった作業が必要である。景気が悪くなると会費の収集が滞る。伝統的に2年生が出費、1年生がロハ、なのだが、今年は1年生も会費払ってね、などと言えば、3年4年にひんしゅくを買う。自分たちはロハだったのに、というわけである。金が集まらないと、スポンサーを捜す。先生たちにカンパをねだったりするのだが、先生も強者なのでいつも「はいよ」と財布を開いてくれるわけではない。「オトシマエ」として、授業を手伝った学生もいた。
金を集めるのは「幹事」、渋るのは同級生、オトシマエをつけるのは「幹事」、飲みにくるのは同級生、自分は飲めない「幹事」、後片付けも「幹事」が中心。だから、「幹事」のなり手はどんどん減る。「幹事」の引き受け手がなければコンパは開催できない。開催できないのはその学年の「コケン」に関わるので、なんとかみんなで「幹事」の探し合い、なすり付け合いが行われる。
長い春休みがあけた4月の初めに「コンパ」が企画されたとしても、幹事が決まるのが遅くなると、開催は遅くなる。
「新歓コンパ」のビラは、我々の頃は4月だったのに、次第に時期が遅くなり、今や5月6月は当たり前、の世界になった。7月近くになって「新歓」では、「薹(とう)が立ちすぎている」ような気がする。