2015年2月28日土曜日

準備

たいていコンピュータで何か授業をするような学校の場合、教える人+インストラクター、あるいはティーチングアシスタントが必須である。下手をすれば、一人の学生のディスプレイにかかりっきりで教える羽目になる。その学生を教えている間、ほかの学生は「待機中」になる。
「使い方」を教えるような作業は、基本的にはマンツーマンがベスト、一人で見るなら4−5人が限度ではなかろうか。
CALL教室なら、教材が用意され、その操作を集中管理できる。もっとも、映像や音声ファイルの再生や録音などが主な作業だから、こみいったアプリケーションの使い方を教える、というわけではないだろうが。

もちろん、機材のセッティングや動作確認は、授業外の作業である。授業の何倍も時間がかかる。私の場合は1教室にコンピューターが12台ある。映像編集ソフトを使うので、プログラムも大きくなる。アプリケーションのインストールは1日では終わらない。インストールが終わったら、プラグインや追加ファイルを書き込む。それからすべての機材で、動作確認である。

こういった準備作業は研究室の助手がやってくれるのだが、以前に「抜け」があって、授業中に不具合が続出、えらく難儀をした。おかげで、授業前日までに、全部の機材の動作確認をするようにした。時間外労働は相当なものになる。
これは全部のコンピューターがスタンドアローンで作業していても、あるいはネットワークで集中管理するシステムになっていても、あまり変わらない。教える方は、集中管理するシステムだと指示したりするのは楽になる。ひとりひとりにへばりつく度合いが減る、というわけだ。

2015年2月27日金曜日

想定

しばらく前に、地方の公立高校が、授業にタブレットを導入、というのがニュースになっていた。生徒負担が5万円、まあ高いか安いかは、その後の活用次第だろう。案の定、授業初日はトラブル続出、というのもニュースになっていた。

コンピュータを使う授業と言うのは、これが面倒である。1クラス30名として、30台同じ機材を揃える、というのが前提な授業を想定するからである。全員が同じような自前のコンピュータを起動して、同じソフトを起動して、Wi-Fi接続して、同じ作業をする、という想定である。…難しすぎる。

同じ型番の同じロットのハードウェアを揃えても、隣の機材と全く同じ動作はしない。なぜこいつだけが機嫌が悪いのかー、という状況はいつものことである。同じアプリケーションだったとしても、隣と同じ動作はしない。毎度、なぜなのー、と言いながら授業をやっているのである。
導入したおじさんたちは、自分たちが使ったことのある「LL教室」を想定していたのではなかろうか。カセットテープレコーダーとヘッドフォンの並んでいた英語の聞き取りをするような視聴覚教室である。
今はLL教室ではなく、CALL教室、と呼ぶらしい。卓にはコンピュータ端末があり、サーバーで集中管理するシステムである。時代は変わるのである。

2015年2月26日木曜日

間際

今週はレポートの締め切りである。

ぼちぼちと追い込みに入り、赤ペン先生の出番が増える。
締め切り前には、当然のことだが、「間際のとりあえず出し」が多くなる。

返却添削の最初の文章は「問題文をよく読みなさい」の割合が増えてくる。返却しても、速攻で再提出である。やはり「問題文をよく読みなさい」なレポートである。再提出になる。果てしない課題違反エンドレス状態である。どこかで落ち着いて問題文をよく読んでくれないかなあ。

私の科目では、いまどきアナログな、手書きのレポートである。
なぐり書き走り書きが増え、判読不能な語句が散見されるようになる。
消しゴムで消しきれないような字があり、一瞬かすみ目になったかと疑う。
書き間違えて、修正テープを貼ったはいいが、書き直さずにそのままだったりする。脱字だらけである。
誤字なのか当て字なのか私の知らない語句なのか分からないものが増えて、辞書を抱えることになり、手間が増える。新しい漢字の読み方を発明しないでほしいものである。「機械のボタンを抽す」と書いてきた学生がいた。字から考えれば「抜く」とか「引く」アクションなので、ボタンを壊しそうである。送り仮名から言えば、「押す」と書きたかったのだろう。赤ペン先生は推理力も必要である。
前にもいろいろ誤字ネタを書いたことがあった。
http://tcd5m.blogspot.jp/2012/02/blog-post_06.html

通信教育課程では、ハードな季節である。

2015年2月23日月曜日

回数券

同居人はここ数日大島である。

行きは、調布から飛行機に乗った。乗れば30分で大島である。大きな客船や高速船の比ではない。ヨットなら1日がかりである。

友人の父上が、三宅島に別宅を持っており、往復は飛行機の回数券、という話をしていたことがあった。
冗談かなあと思ったら、ほんとにあった。定期券もあったりするのかなあ。

飛行場へ送りに行った。講演の南側、小さな建物がターミナルである。待機していたのが、とってもかわいい飛行機だったので嬉しくなった。
トイレなし、キャビンアテンダントなし、軽食サービスなし。
航空券予約時に体重を聞かれていた。飛行機に入ったら、操縦士さんが席を指定したらしい。体重で小さな飛行機のバランスをとっているわけだ。お友達でもお隣で並んでは座れないのである。
当日は北風、飛行機は北に向かって離陸した。大島は南方面なので、いきなり180度旋回だったらしい。すごーーーーーーーーーーく怖かったらしく、着いたなり電話とメールで「怖かった」報告をいっぱい、よこしてくれた。
船酔いには強いが、ジェットコースターには弱い人である。

大島に着いたら、即帰りの切符はキャンセルして、船の切符を買いに走ったらしい。

2015年2月22日日曜日

行く先

実家では、先日、母の飼っていた犬が死んだ。14歳である。

キリスト教では動物は天国に行かない、というのが通説である。こういう時は仏教である。

最近のペットは火葬されて、きれいな骨壺に入って、お経まで上げてもらっていた。戒名まではなかったが。宗派は知らないが、お経のおかげで、あちら側には行けたのだろう。

宗教や宗派が違っていても、そこでいつか会えるといいな。

2015年2月12日木曜日

予約

時折、勤務校ではない大学に出向くと、楽しみなのが、トイレ、学食、購買部である。その学校の日常が垣間見えるのと、自分の勤務校とは様相が違うのでそこはかとなく楽しいものである。

もちろん大学によっては、得意分野の特産品などがあったりする。美術系の勤務校ではオリジナルデザインの日本手ぬぐいやスケッチブック、トートバッグ、などというのがあったりする。

同居人の通った大学では、「手みやげ用」というのがあった。大学の校章が焼きごてで押された饅頭である。大学キャンパスのスケッチが入ったのし紙に包まれた箱入り。近所の老舗の出入り和菓子店の品物である。もちろん学生には需要はない。要予約である。手みやげに持って行くと、それなりに先方にうける。大学の方は気を良くしたらしく、第二弾を投入した。校名に「茶」の字が入っているので「緑茶セット」である。大学の研究内容とは全く関係ない。だじゃれ好きの広報担当者がいるとしか思えない。姉妹校で「奈良」の字が入っている学校があるのだが、そっちには「奈良漬け」があるのかと考える。

2015年2月11日水曜日

必需品

時折、勤務校ではない大学に出向くと、楽しみなのが、トイレ、学食、購買部である。その学校の日常が垣間見えるのと、自分の勤務校とは様相が違うのでそこはかとなく楽しいものである。

大きな大学だと生協もそれなりに大きくて、店構えも立派、品揃えも豊富である。教科書や参考書と並んで、コンピュータやタブレット端末まで並んでいる。学生の必需品になったんだなあという感じがする。

こじんまりした大学だと、生協のお店も大きくはない。ただし、学生が必要なものは一応揃っている。テキスト、文房具、コンピュータやタブレット、女子大学だとファンシー文具やストッキングがあるのはお約束である。

2015年2月10日火曜日

変化

時折、勤務校ではない大学に出向くと、楽しみなのが、トイレ、学食、購買部である。その学校の日常が垣間見えるのと、自分の勤務校とは様相が違うのでそこはかとなく楽しいものである。

勤務校には「生協」というものがない。学園紛争の名残、と聞いたことがある。だから、パンやお菓子などを売る売店と画材屋が「購買」である。

画材屋は以前は大阪の業者が入っていたが、撤退し、東京の大手画材店が居抜きで入れ替わりに入った。以前の業者は、美術系の業者だった。入れ替わって、デザイン系の品揃えが良くなった。20年ほど前から、写真専攻の学生用に写真現像ラボの出入りをお願いした。大学の学科専攻やカリキュラムによって、「必要なもの」というのは変わってくる。すでに「写真現像」もサービス縮小中、代わりに画材店が始めたのはデジタル出力サービスである。業者さんの方もそれなりに対応が大変である。

2015年2月9日月曜日

支援

時折、勤務校ではない大学に出向くと、楽しみなのが、トイレ、学食、購買部である。その学校の日常が垣間見えるのと、自分の勤務校とは様相が違うので面白い。

学食を眺めていると、そこの学生の気質なども見えてくるような気がする。
先日出向いた大学では、学食の横にまた別の飲食系のテナントが入っていた。学生の方はいわゆる「学食」の方に行く。よーく見ると、営業時間は短いし、メニューは学食にしては少なめ、値段も学食よりも1−2割増、といった様子である。
大学はいわゆる「公立」である。だからというわけではないだろうが、テナントは地域の障がい者の就業施設だった。
学生として利用するなら、授業の休み時間にせわしなく利用するには難しいかもしれないが、地域の人が手軽に利用できるのであれば、いいテナントだなあと思いながらカレーを食べた。レストランほどのサービスはないにせよ、カフェテリアとしてはうまい営業形態ではないかと思う。


福祉、という政府の見解が出るたびに、補助金といった話が必ず出てくる。それよりも前に、働ける場所と仕事、の方が、明快な「支援」だなあと思いながら、お茶のお代わりをお願いした。

2015年2月8日日曜日

メニュー

時折、勤務校ではない大学に出向くと、楽しみなのが、トイレ、学食、購買部である。その学校の日常が垣間見えるのと、自分の勤務校とは様相が違うのでそこはかとなく楽しいものである。

大きな総合大学で学生数が多いと、それなりに大規模な学食になる。
大きなホールをぐるりと取り囲んで、「うどんそば」「ラーメン」「カレー」などのお店が並ぶ。それぞれ民間業者が入っていて、なじみの店の名前があったりする。ショッピングモールのフードコートみたいだ。

たいていの学食の定食のご飯の盛りは、並か大盛りの2パターンくらいなものだが、女子学生もいて体育会系もあったりするような大学だと、バリエーションが豊富になることがある。ある大学の学食では、1から7までのグレードで食券を買うようになっていた。グレード7は、グレード1の7倍なのだろうか。疑問に思いながらも試せないのが残念である。

女子大学の家政学部などがあると、学食のメニューにカロリーや栄養価が付記されていたりする。うーむ、家政科らしいなあ、と思う。栄養満点なのだが、見た目は地味である。うーむ、女子大学らしいなあ、と思う。


都心の大学では有名レストランをテナントとして入れて、学外の人も入れるようになっていたりする。時代だなあ、と思う。学校と言うのは、学生をつくる場所ではなくなりつつあるのだなあ、と思う。

2015年2月7日土曜日

荷造り

同居人はさすらいの非常勤講師である。お仕事があれば、日本全国へ出向く。
ここ数年は、2月の初めに1週間ほど北海道札幌で集中講座である。

一昨年は天候不良で出発地で悪天候で欠航するかもしれない、昨年は帰宅時に羽田が閉鎖で札幌の空港で一晩足止めを食った。それでなくても、日程のどこかで雪祭りにスケジュールがかぶり、宿泊料金が一晩だけ1.5倍、という状態になったりする。
数年続けたおかげで、要領を得たのか、最近の定宿は大学の女子寮をリノベーションしたビジネスホテルである。給湯室とキッチンが充実、コインランドリー完備で、長期滞在向き、というのが売りである。外食続きでは健康状態も懐具合も心もとないので、自炊を心がけている。おかげで荷造りは、衣類だけではなく、現地調達の難しい野菜や調味料を含む。なぜかセーターの横に白菜、配布する資料の横に人参を突っ込む、不思議な鞄の中身である。

2015年2月6日金曜日

ワイヤ付き

時折、勤務校ではない大学に出向くと、楽しみなのが、トイレ、学食、購買部である。その学校の日常が垣間見えるのと、自分の勤務校とは様相が違うのでそこはかとなく楽しいものである。

同居人が非常勤で出かけている学校のひとつは女子大学である。トイレは概ね女子用で、男子用は小さく、常時消灯である。
女子大は保育園併設である。学生も教員も利用可能である。そのためか、女子用には必ず「幼児用便座あります」という貼り紙のある個室がある。

勤務校では子連れ通学はない(禁止されているわけではないが)、ので新鮮な光景である。ついでに幼児用便座はワイヤーで水道管に括り付けられている。こういう場所なのに「盗難防止対策」なのが、新鮮かつ物悲しい光景である。

2015年2月5日木曜日

忘れ物

ここ10年か15年ほどで、学内のトイレはえらくきれいに改装された。ウォシュレット完備、センサー付きの間接照明、女子用には防犯ブザー、冷暖房完備である。
便所めし、ということではないにせよ、長居の傾向があるかもしれない。

ずいぶん前の話だが、個室からぼそぼそと話し声が聞こえてきたことがあった。閉まっている扉はひとつだけ、である。個室に複数の人間が入っているのか、と思ってびっくりした。携帯電話が学生の間でポピュラーになってきた頃の話である。個室でおしゃべりをしていた、というわけだ。電話の向こうには、こちらの状況などわからない。電話の相手がボーイフレンドだったりしたら、どう思うのだろうか。

最近だと、やけに「長居」の個室があるなあ、と気になったことがあった。誰かいる気配はするのだが、こちらが用を済ませ、歯磨きをして、身支度など整えても、気配は変わらない。スマホの時代になると、おしゃべりではなくなった。twitterやLINEなどでは、音声ではなく、テキストでおしゃべりをする。座り込んでずーっとテキストを打っているようである。teitterやLINEの向こう側にも、こちらの状況はわからない。向こう側の相手がボーイフレンドで、デートの打ち合わせだったりしたら、どう思うのだろうか。


そうして連絡して、打ち合わせも終わり、一息ついて、個室から出て行ったのだろう。出て行ったた個室に、堂々とスマホが鎮座ましましていることがある。個室の目的は、スマホ使用だったりする、というわけだ。

2015年2月4日水曜日

割合

便所めし、というのが話題になったのは、個室が「洋式」になったことが大きい。いまや、和式の個室は学内ではほとんど見なくなった。トイレのきれいさ、便利さと言うのは、集客に直接結びつくものらしい。古い校舎もトイレから改修が始まった。
最近の美術系の大学は、女子率が高い。私の頃は半分以上が男子だったが、いまや7割以上が女子、という雰囲気である。

以前使っていたが、最近あまり使っていない校舎でトイレに入ろうとしたら、びっくりしたことがあった。男子トイレと女子トイレが入れ替わっているのである。女子用に入ろうとしたら、男子用のサインがある。改修時に位置を入れ替えたようだ。平面図を見て納得である。男子用の方が、以前は大きかったのである。


女子率というのは、いろいろなところに影響を及ぼす。

2015年2月3日火曜日

相席

しばらく前に、大学の学食で「ぼっち席」が人気、というのが新聞記事になっていた。心理学の現場では「ランチメイト症候群」と言うそうである。ずいぶん前から現場では言われていたらしい。

学食で「ぼっち席」というのも、ずいぶんと遅い展開である。なんとなれば、数年前学生の間で、「便所めし」というのが話題になったことがある。トイレの個室で弁当を広げて食べる、というものだ。
どうも彼らにとって「便所めし」というのは大学で発生したものではなく、高校から持ち上がってきたものらしい。学生の会話を聞いていると、そんな具合である。高校の時はこんな生徒でした、といった話はを聞くことがある。


普通の大学ならいざ知らず、美術系では群れるのが嫌いな一匹狼タイプが多かったり、他人のことなど構わないので、学食で一人で食べていても、さほど違和感はない。ぼっち席ではなくても一人で食べるし、相席もOKである。

2015年2月2日月曜日

送料

通信課程の方は、通学課程と少しスケジュールがずれていて、ぼちぼちレポートの締め切り、という感じになる。
科目の方はいくつか種類がある。レポートだけ数本、レポート1本+試験、レポート+実技課題、レポート+スクーリングなど、いくつかのオプションがある。オプションは学生が選ぶわけではなく、最初から授業科目としてご指定である。
レポートや実技課題も、出せばOKというわけではない。赤ペン先生はそれなりに赤を入れるのである。

しかし締め切り近くになると毎年「とりあえず出しておく」パターンが増える。通ればラッキー、と思っているのかもしれないが。普段だと15円で送れるレポートなのに、速達、宅急便、などとかなり送料をかけてくる。うーん、計画的に事前に準備すれば500円は節約できるのに、などと考えて開封するのである。


当事者以外は節約モードを考えてしまう。時は金なり。