2016年4月28日木曜日

親心

臨床心理士は、美術系の学校出身ではないし、美術家を志したこともないのだろう。先生方に対する心理士の「ご要望」は、申し訳ないが、少し違うのではないかと思う。
大学での授業に興味が持てないのであれば、勉強する必要はない。さっさと自分の興味範囲を探した方が良い。大学は義務教育ではないのだから、大学の授業に迎合する必要はないはずだ。興味のあること、勉強したいことがあれば、授業が退屈なものだったとしても、講義を聞いたり本を読んだりすることは出来る。
実技授業の講評では、基本的には作品について「講評」していて、作者について「講評」しているわけではない。ここ数年の学生の特徴は、「批判」の対象が、作品ではなく本人であると勘違いしていて、本人を否定されているような気になるところだ。ただし、美術家やデザイナーとして仕事をするのであれば、社会に出てから、いくらでも「けちょんけちょん」に叩かれることは覚悟しておかなくてはならない。それでもコツコツと作業を続けて最後に笑う作家だって、たくさんいるからだ。褒めてやる気にさせてみても、社会に出て叩かれて、ポキッと折れてしまったら、それこそ元も子もない。学生時代に少しは耐性をつけようという親心を、臨床心理士は知らない。

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