2013年7月30日火曜日

バリエーション

動画であれ静止画であれ、撮影するときには、まずどうやって撮ろうかということを考える。しょせんレンズと機械である。結局人間の視野や視界と同じように撮影はできない。

最終的に編集されることを考えて撮影しなければならない。前後のことを考えながら作業する必要があるので、三脚を立てやすいとか、ファインダーがのぞきやすい位置、という要因でカメラを設置することはあまりない。下手をすると地面に這いつくばり、壁の間に挟まったりしてカメラの位置を決めたりもする。決してカメラマンの都合で、構図は決まらない。
フィクションの場合は、たいていディレクターがカット割りを決めるので、編集を想定して構図を決める。ノンフィクションや記録映像の場合は、決まったシナリオがないので、もっとざっくばらんな注文になる。編集時に困らないように撮影をするのがカメラマンの仕事になってくるので、もう少し気を回さなくてはならない。ノンフィクションの場合は「捨てカット」「ロング」も一応押さえておかなくてはならない。ある程度余裕があれば、何通りかの構図のバリエーションを押さえておくことになる。シンポジウムなどの会場風景であれば、前後左右斜め4方で三脚の立てる位置は8カ所、ポジションを2-3通りずつ、アングルを2-3通りずつ、サイズを4通りずつ、で128通りくらいの構図のバリエーションはできる。全部押さえておけば、編集時にどれかが使えるはずだ。まあここまで多くなくともいいかもしれないが、少なくとも2-3通りでは編集で困ることがある。


スチルではうろうろと移動して撮影するし、ビデオだと2-3台のカメラで分担してフォローする。イベント撮影のようなものの方が、実は大変なのである。

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