2013年8月21日水曜日

シベリア

同世代、あるいはその前後の卒業生と出会ってよく盛り上がるのは「シベリア」である。

実技科目の点数が足りないと、冬休みなどに補講をしてくれるのだが、そのアトリエのことをそう称していた。
古いプレハブ校舎、すきま風、コンクリ土間、もちろん土足のアトリエである。石油ストーブは、とりあえず設置してあるが、この季節はあまり効率よくきかない。本当の極東地方であるシベリアを知っている人から見れば屁でもないだろうが、落第寸前、崖っぷち、広いアトリエで数名がしこしことデッサンをしておるので、わびしさ悲しさ寒さひとしお、である。

夏の通信教育課程では、アフリカとか赤道を通り越して「フライパン」な環境のアトリエが出現していたが、通学生にとっての合い言葉は冬の補講期間に落ちこぼれの間に出現する「シベリア」である。

シベリア校舎は既に取り壊されて、新しい大きな校舎がつくられた。もちろん全館冷暖房完備である。
フライパンなアトリエは、大掛かりな改修工事をしていたので、当然のように冷暖房エアコン付きになっている。
今は昔、だなあと、校舎の脇にある大きなエアコンの室外機を眺めながら思うのである。

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